脱水症・熱中症

脱水症・熱中症に気をつけましょう

これから暑くなると、脱水症・熱中症で救急搬送される方が増えてきます。脱水症・熱中症は日々の予防が非常に大切です。
暑くなると発汗によって体温を下げようとします。その汗には、水分や塩分も含まれており、これが失われることで脱水症になりやすくなります。また脱水症を放っておくと、熱中症へと移行していきます。

脱水症・熱中症の定義

脱水症

水や電解質(体内の塩分やカリウムなどのミネラル)が汗で失われている状態です。脱水症になると、全身に十分血液が巡らなくなり、腎臓などの臓器の機能が低下します。また、食欲不振や頭痛・全身の倦怠感などの原因にもなります。さらに、筋肉から電解質が失われることで、脚がつったり、しびれが起こったりすることもあります。

熱中症

熱中症とは気温の高い環境で生じる健康障害の総称です。体内のバランスが崩れ、体温の調節機能が働かなくなり、重症になると、意識障害や最悪の場合死に至る危険もあります。
熱中症にはめまいや立ちくらみが起こる I度 (軽症 日陰で休む 水分補給)、頭痛や吐き気・倦怠感を伴うII度(中等症 病院にかかり補液を受ける必要がある)、意識障害を伴うIII度(重症 救急車で救命医療を行う医療施設に搬送し入院治療の必要がある)とその症状の程度によって区別しています。

熱中症の症状

熱中症は、主にめまい、失神、頭痛、吐き気、気分が悪くなる、体温が高くなる、異常な発汗(または汗が出なくなる)などの症状があります。特に症状が重い場合は、以下のような症状を発症します。

      1. 1熱失神

      気温が高い場所にいたり、直射日光を浴びたりすることで、脱水や末梢の血管が広がり、脳へ行く血液量が減少し、めまいや失神が起こります。体温は正常なことが多く、発汗も見られます。

      1. 2熱けいれん

      大量の発汗後に水分だけを補給した場合など、電解質(体内の塩分やカリウムなどのミネラル)が不足した場合に、痛みを伴った筋肉のけいれんなどが起きます。体温は正常なことが多く、発汗も見られます。

      1. 3熱疲労

      水分や電解質(体内の塩分やカリウムなどのミネラル)が不足した脱水症状によるもので、熱射病になりやすく、すぐに対処が必要です。 発汗は多く、体温はやや高めですが、皮膚は冷たくなっています。めまいや頭痛、吐き気を伴うことも多くあります。

      1. 4熱射病

      熱中症が進行し、脳の体温調節中枢機能が麻痺して起こります。発汗はなく、体温も39℃を超える高熱を発していることが多くあります。意識障害、昏睡、全身けいれんなどが起きる場合もあり、極めて危険な状態です。最悪の場合死に至る可能性もあり、緊急に対処が必要となります。

脱水症、熱中症の予防と対処法

熱中症や脱水症は炎天下だけでなく、湿気の多い時期や夜間・屋内でも起こる可能性があります。高齢者はのどの乾きに気づくことが遅くなることも多く、水分摂取が遅れることが多く見られます。また、脱水症・熱中症も重症化しやすく、のどが渇く感じが出る前に、適量の水分を積極的に摂る習慣が大切です。


特に夜間就寝中に、クーラーをつけずに暑い部屋で寝ていると、多量の汗をかき、気づかないまま症状が進行する場合もあり、注意が必要です。最低限、寝る前〜明け方あたりまでクーラーを使用(設定温度は28度程度で十分です)することは予防に有効です。

水分補給について

一度に大量の水を摂取すると、かえって体内の電解質(体内の塩分やカリウムなどのミネラル)のバランスが崩れる場合があります。水分補給をする時には、あわせて塩分やミネラルの補給も意識していただければと思います。市販のスポーツドリンクや経口補水液、また水や麦茶の場合には、塩分も一緒に補給しましょう。

 

水分補給は、のどが乾く前に少量ずつ飲むことが大切です。一気に大量に飲んでも吸収が悪く、水分が吸収されるのも多少の時間は必要となるため、常日頃から水分と塩分の補給を心がけるようにしてください。

 

もし脱水症、熱中症にかかったら、早めに適切な処置をすることが大切です。話しかけても反応が鈍い、言動がおかしいといった場合には意識障害の症状である可能性もあり、すぐに救急車を呼び救急搬送を依頼してください。

 

また、症状が回復しても必ず診察を受けることが大切です。休息や水分補給で回復したつもりでも、後遺症がでたり熱中症が再発したりするおそれもあります。症状の重さ・軽さは自分で判断をせず、熱中症だと感じたら、回復した後でも必ずご相談ください。

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